こんにちは! 「教材の力」で人材育成の課題を解決する教材戦略ラボの矢澤です。
私は普段、教育サービスを展開される事業者様向けに、教育プログラム(講座や研修)の構築、メソッドの体系化、カリキュラム設計、テキスト・ワークブック・マニュアル等の制作のお手伝いをしています。
今日のコラムのテーマはこちら。
動画教材を作るときに考えるべきこと
昔は「教材」と言うと「紙のテキスト」が一般的でしたが、今では「教材=動画」というイメージの方も多いのではないでしょうか。
それくらい動画は、講座や研修など学びの場の「教材」として、多くの方が取り入れるようになってきました。
ただ、この動画も「教材設計」の視点で見ると、「もったいない!」と感じるものがとても多いです。
そこで今日は、動画を教材として作る際の「大事な視点」を紹介します。
「動画教材」なのか「動画付き教材」なのか
もちろん、受講生にとっては、教材はどんな形式のものであっても「ないよりはあったほうが断然良い」もので、「提供するだけでありがたがられるもの」です。
ですが、せっかく作るのであれば、「学習のしやすさ」を考慮して提供したいものです。
そのためにぜひ意識してほしいのが、作ろうとしている教材が「動画教材」なのか、それとも「動画付き教材」なのか、ということ。
「どっちでも良くない…?」という声が聞こえてきそうですが(笑)、教材設計上は全然違うものになります。
両者にはこんな違いがあります。
「動画教材」の場合
動画がメイン。「動画で学ぶ」を前提とするので、原則「動画で完結させる」必要があります。
例えば、講座や研修を通して伝えたい内容が「10」あれば、「その10すべてをどのように動画の中で伝えるか?」という視点が基本になります。
※「動画教材=動画講座」と置き換えても同じ認識になります。
「動画付き教材」の場合
動画はサブの位置付け。この場合の動画は、動画以外の他の教材(多くの場合、テキストやレジュメ)の補完的・補足的な役割です。この動画の内容はどれだけ「断片的」であっても何ら問題はなく、他のベースとなる教材の内容をより良く・より深く理解するための「+αの教材」として機能します。
※「動画付き教材=動画付き講座」と置き換えても同じ認識です。
このように区別して見てみると一目瞭然かと思いますが、同じ「動画」でも、「どんな動画を作るか」「どんな心づもりで動画作りに臨むか」がまったく違います。
実はこの2つの違いを意識(認識)することなく、動画を作り始める方が多いです。
すると、こんな壁に直面してしまいます。
作ろうとしている教材が「動画教材」だった場合
おそらくイメージしていたよりも、「動画作り」に時間もエネルギーもかかります。
なぜなら、伝えたい「10」をすべて動画の中で伝える必要があるので、「テキストの目次」を作るのと同じように、「動画全体の構成・シナリオ」を考える必要があるからです。
「動画を撮る前に、事前準備がこんなに必要だったなんて…」と慌てるケースが多いです。
作ろうとしている教材が「動画付き教材」だった場合
この場合の動画作りには、前者の「動画教材」ほど事前準備は必要ないので、仮に「行き当たりばったり」でも、「思いつきで作る」でも、あまり問題になることはないです。
ですが、この形式の動画を作り始めてから、「そもそもこれは補足的な動画だ」ということを認識し、慌ててその元となる「テキスト・教科書づくり」に着手される方も多いです。
このように、同じ「動画」であっても、「講座や研修の中で(または教材全体の中で)どんな役割を担うのか」によって、作り方も作るための準備も、作るための作業量や時間も変わってくるということです。
やっぱり「設計」は大事
結局今日のコラムも、この一言に集約されます(笑)。
繰り返しになりますが、教材作りは「作る」よりも、その前提となる「設計」のほうが重要です。
「設計」とは、つまり「作るための見通しを立てる」ということ。
適切な見通しが立つことで、教材作りは断然楽しく、ストレスフリーな作業になります。
「講座や研修のために動画を作ろう」
そう思ったときは、ぜひ参考にしてみてください!
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