こんにちは! 「教材の力」で人材育成の課題を解決する教材戦略ラボの矢澤です。
私は普段、教育サービスを展開される事業者様向けに、教育プログラム(講座や研修)の構築、メソッドの体系化、カリキュラム設計、テキスト・ワークブック・マニュアル等の制作のお手伝いをしています。
今日のコラムのテーマはこちら。
教材を教材たらしめる要素とは?
「資料と教材って何が違うのか?」
私が教材教材という話をしていると、お客様がこんな質問を呟かれることがあります。
もちろん「教材」と言ってもその姿・形に制限はないので、「教材」という言葉と比較するのは「資料」だけではありませんが(という意味では「資料」にもいろんな形がありますね)、ここでは分かりやすくするために、「紙の資料」と「冊子型教材」をイメージしてみましょう。
資料と教材の違い、私はこのように考えています。
(資料には必ずしもない)
教材は「ディレクション」が命
ディレクションとは「指示」や「方向」という意味の言葉。
「教材にはディレクションがある!」ということは、要は「方向づけがなされているかどうか」ということです。
資料にも教材にも同じように重要なことが書かれているとします。
けれども教材のほうには「ディレクション」がある。
例えばこういう記載です。
「この文章を読みましょう」
「この内容を暗記しましょう」
「この事例についてディスカッションしましょう」
「この問いについて考えたことを記入しましょう」
「この手順に沿ってやってみましょう」
「この事例集を参考にしましょう」
読んだ人が
「それをどうすればよいのか?」
「それをどう扱うのか?」
「それで何をするのか?」
がきちんと明確に示されていること。
それを私は「教材を教材たらしめる要素」だと思っています。
さらには、すべての教材はディレクションから始まる!とも思っています。
それくらい「ディレクション」は教材を考えるうえで重要な要素です。
ディレクションが曖昧だったりすると…
見落としがちですが、ディレクションは教材を作る際の大前提になります。
講師目線では当然わかっていることでも、受講生には
「ここでは何をするの?」
「これはなんのためのするの?」
「これはどうやってやるの?」
が見えていないことがほとんどだからです。
繰り返しになりますが、ここでいう「指示」とは、下記のようなディレクションのこと。
受講生に対して示す
「この教材はこんなふうに/こんな手順で使ってください」
という全体的なものもあれば
「まずはこのページをざっと読んでください」
「この項目は暗記できるくらい何度も繰り返し読んでください」
「この問いについて自分のケースを考えてみてください」
「この欄には~~を書き込んでください」
「当てはまるものに✔︎を入れてください」
といった部分的なものもあります。
これらが不明確だったり不親切だったりすると、どうなるでしょうか…?
本題に取り組む前の時点で、受講生には数々の「?」が蓄積されていきます。
すると、ストレスを感じてやる気が失せてしまう…
あるいは、明確な目的を理解できないままなんとなく取り組んでしまうことで、せっかくの学習効果が半減してしまう…
といったことが起きてしまいます。
こういう教材、実はたくさん存在しています。
こうならないために不可欠なのが「ディレクション」です。
ぜひ教材のコンテンツ(中身)を考える際は、「受講生にそのコンテンツをどう扱ってほしいのか?」という問いを立てて、然るべき行動を促してあげましょう。
次回のコラムでは、この「ディレクション」の精度を上げるためのトレーニング方法を紹介したいと思います。
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